賃貸人、貸主・借主の役割とその違いについて

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賃貸人、貸主・借主の役割とその違いについて

不動産賃貸業に携わる上で、貸主(賃貸人)と借主(賃借人)がそれぞれどういった役割を持っており、どのような義務があるのかを知っておく必要があります。例えば、賃貸人であれば物件を管理することに加え、修繕する義務もあります。逆に賃借人には家賃の支払いや原状回復の義務があります。

今回はそんな賃貸人と賃借人の役割と義務、さらに賃貸借契約における注意点なども解説します。

賃貸人とは?

賃貸人とは?

そもそも賃貸人とはどういった人物・役割を指しているのでしょうか?ここでは賃貸人の特徴や呼び方についてご紹介します。

賃貸人=貸主、大家さん

賃貸人とは、賃貸物件を貸し出す人を指します。「貸主」や「大家さん」などと同じ意味で、それぞれ呼び方が異なっているだけで役割は同じです。所有する賃貸物件を貸し出し、家賃収入を得ます。

後ほど役割については詳しくご紹介しますが、良好な住環境を保つために修繕・管理を担います。

賃借人=物件を借りる人、借主

賃貸物件を貸し出す賃貸人とは逆に、物件を借りる人のことを「賃借人」または「借主」と呼びます。賃貸人に家賃を支払うことで物件を貸してもらい、居住します。

賃貸人(貸主)の役割・義務

賃貸人(貸主)の役割・義務

賃貸人と賃借人の間で賃貸借契約が結ばれると、双方にさまざまな義務が生じます。賃貸人の主な役割と義務は以下のとおりです。

  • 物件を使わせる義務
  • 賃借人の費用を償還する義務
  • 物件を修繕する義務

まずは賃貸人の役割や義務についてご紹介しましょう。

物件を使わせる義務

賃貸人は、家賃を受け取る代わりに、賃借人が物件を安心して利用できる状態で貸し出す義務を負っています。この義務には、マンションやアパートの場合、部屋だけでなくベランダやエントランスなどの共用部分の維持管理も含まれます。

さらに、居住者が快適で安全に生活できる環境を提供し続ける責任もあります。もしトラブルが発生した場合には、速やかに対処しなければいけません。こうした対応を怠ると、賃貸人がその義務を果たしていないとみなされ、法的な責任を問われる可能性もあります。

賃借人の費用を償還する義務

賃借人が物件に対してなんらかの費用を支払った場合、その費用を賃貸人側で負担する義務があります。償還義務が生じるのは、必要費と有益費です。

必要費とは、物件の保全にかかわる費用のことです。例えば、雨漏りの補修や部屋に備え付けられていたエアコンの修理費用などが該当します。

有益費とは、物件の価値を増加させる費用のことです。通常の生活では必ず必要とはいえないものの、物件の用途を広げる、利便性を高めるための費用が有益費です。例えば、トイレの便座を温水洗浄便座に変える、窓を防犯性の高いものにリフォームするなどです。

物件を修繕する義務

建物や共用部分に破損などがみられた場合、賃貸人は問題のある箇所を修繕する義務があります。物件を適切な状態で使用させる義務は貸主側にあるため、修繕にかかった費用は賃貸人が負担することになります。

賃借人(借主)の役割・義務

賃借人(借主)の役割・義務

次に、賃借人の役割や義務を見ていきましょう。

  • 家賃を支払う義務
  • 注意深く物件を使う義務
  • 原状回復の義務

家賃を支払う義務

賃貸人から物件を借りて利用している賃借人は、家賃を支払う義務が生じます。決められた期日までに賃貸借契約書に定められた賃料が支払われます。家賃を支払わずに滞納した場合、最終的に強制退去や裁判にまで発展する可能性があります。

注意深く物件を使う義務

賃借人には注意深く物件を使う「善管注意義務」が課されます。賃借人は物件を賃貸人に引き渡すまで、善良な管理者の注意を払い、その物件を保存しなければならないと民法第400条「特定物の引渡しの場合の注意義務」に規定されています。

原状回復の義務

賃借人が退去する際、入居前の状態に戻して返還する義務があります。ただし、経年劣化や使用収益に生じた破損に関しては、原状回復の義務には該当せず、賃貸人が対応することになります。賃貸人と賃借人のどちらが対応すべきかについては、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルのガイドライン」に目安が記載されています。なお、ガイドラインはあくまでも目安のため、原状回復については賃貸借契約書に明確に記載しておくことが大切です。

賃貸人が行うこと

賃貸人が行うこと

ここまで、賃貸人の役割や義務についてご紹介しましたが、ここからは具体的にどのようなことを行うのかについてご紹介します。・入居者からの問い合わせ

  • 入退去関連の業務
  • メンテナンス・修繕

入居者からの問い合わせ

入居者から設備の不具合や近隣とのトラブルなどの連絡があった場合、賃貸人は対応する必要があります。入居者からの問い合わせは突然やってくるものです。場合によっては緊急性の高い連絡が来ることもあるでしょう。快適で住みやすい環境を提供するためにも、素早く対応できる体制を整えておくことが求められます。

入退去関連の業務

入居希望者の内見や入居審査、賃貸借契約の締結といった対応に加え、解約の受付や退去日当日の立会い、敷金の精算なども行います。この中には、賃貸借契約書の作成や敷金の計算など、一定の専門知識が求められる業務も含まれます。

メンテナンス・修繕

入居者が住みやすいと感じる環境を維持するための定期的なメンテナンスや修繕を行います。経年などによる劣化の対策、安全性の向上などを図ることで、入居率の高い状態を維持し、高収益につなげることができます。

賃貸人の許可がなくてはできないこと

賃貸人の許可がなくてはできないこと

賃借人は、物件を借りると善管注意義務などが生じますが、それ以外にも以下のような「賃貸人の許可なくやってはいけないこと」が規定されている場合もあります。

  • ペットの飼育
  • 原状回復が困難なDIY
  • 転貸

ペットの飼育

賃貸物件には「ペット可」の物件もありますが、ペットの飼育を許可していないケースがほとんどです。仮にペット可の物件だったとしても、飼育可能な動物の種類や頭数などに制限が設けられていることも少なくありません。

また、分譲マンションを賃貸として貸し出している場合、分譲マンションの管理規約では「ペット可」の記載があったとしても、賃貸借契約で「ペットの飼育は不可」とされていればペットを飼育することはできません。

原状回復が困難なDIY

賃借人には原状回復の義務があるため、退去する際に入居時の状態に戻す必要があります。そのため、原状回復が困難なDIYを実施する際には、事前に賃貸人から許可を得なくてはなりません。具体的には、壁や床にペンキで色付けをする、配線や配管の変更を伴うリフォームなどが該当します。

転貸

転貸とは、賃借人が賃貸人から借りた物件を別の第三者に貸し出すことを指します。転貸を行う場合は、賃貸人から事前に許可を得ることが必要です。また、賃借している物件で民泊やコワーキングスペース事業を行った場合も、転貸にあたる可能性があります。

賃貸借契約時の注意点

賃貸借契約時の注意点

賃貸人が賃借人と契約を結ぶ際には、以下の注意点が挙げられます。

  • 特約、禁止事項を把握してもらう
  • 解約予告日について知ってもらう
  • 毎月の支払いや初期費用、更新料などを確認する
  • 退去時の修繕に関する取り決めを行う
  • 残置物や設備について確認する
  • トラブル時の連絡先を確認する

特約・禁止事項を把握してもらう

賃貸借契約書の内容は物件ごとに異なり、独自の特約や禁止事項を設けている場合もあります。

特約や禁止事項などを守ってもらうためには、事前の説明が重要です。契約に至る段階で特約・禁止事項の理解促進を図らないと、後々トラブルに発展する可能性が高まります。

解約予告日について知ってもらう

民法では、解約予告日は「3カ月前」と定められていますが、物件によっては解約予告日が1カ月前でも対応するケースもあります。賃貸借契約の締結時に、解約予告日についても説明するようにしましょう。

なお、解約予告日とは別に引っ越しをする日程が決まった段階で、賃貸人または不動産管理会社への連絡が必要な旨も伝えます。これは、引っ越し作業がすべて完了した段階で、賃貸人や不動産管理会社、賃借人が立会って部屋の状態を確認する必要があるためです。

毎月の支払いや初期費用、更新料などを確認する

イニシャルとランニングの支払費用と支払方法を確認します。その際のポイントは以下のとおりです。

  • 初期費用(敷金、礼金、仲介手数料など)がどれくらいかかるのか
  • 更新料はどれくらいかかるのか
  • 更新料以外に手数料は発生するのか
  • 契約更新のタイミングはいつか など

更新のタイミングは物件によって異なりますが、2年ごとに更新されるケースが多いです。その際、更新料に加えて、場合によっては手数料が発生する場合もあるため、丁寧な事前説明が必要です。

退去時の修繕に関する取り決めを行う

賃借人には原状回復の義務があるため、退去時の修繕に関して取り決めをしておかないと後々トラブルにつながる可能性が高まります。修繕する範囲、修繕費は誰が負担するのかなどを事前に話し合っておくようにしましょう。

残置物や設備について確認する

入居者が、退去時に部屋に残した家具・家電が残置物です。通常、設備が故障した際は、賃貸人が修繕や交換対応の責任を負います。しかし、これらの残置物に関しては賃借人(入居者)が責任を負う場合があります。

ただし、賃貸借契約の中で残置物の取り扱いや費用負担に関する内容を明記しておらず、通常範囲内での故障だった場合は賃貸人が費用を負担することが一般的です。トラブルを防ぐためにも、残置物や設備に関する内容はなるべく細かく賃貸借契約の中で規定すると良いでしょう。

トラブル時の連絡先を確認する

賃貸借契約を結ぶ際、賃貸人と賃借人の双方の緊急連絡先を交換します。不動産管理会社に管理業務を委託している場合は、不動産管理会社の問い合わせ窓口を連絡先とするケースが一般的です。賃貸借契約書には管理者の情報も記載されていますが、契約書の紛失などにも備えて、双方の連絡先を確認しておくと良いでしょう。

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賃貸人や借主・貸主の役割・義務について把握しよう

賃貸人や借主・貸主の役割・義務について把握しよう

今回は、賃貸人や賃借人の役割と義務、賃貸借契約時の注意点などをご紹介してきました。賃貸人は物件を貸す人、賃借人は物件を借りる人というイメージがありますが、実際には修繕義務や費用を償還する義務、原状回復義務など、それぞれに役割や義務が生じています。

賃貸人は役割や義務に加え、空室リスクを防ぐための対策も必要となってきます。そうなれば管理業務が疎かになってしまう場合もあるでしょう。

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