賃貸管理業務に必要な資格とは?賃貸管理士の役割や試験概要を解説

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賃貸管理業務に必要な資格とは?賃貸管理士の役割や試験概要を解説

賃貸管理事業を始める場合、営業所または事務所ごとに賃貸住宅管理の知識や経験のある「業務管理者」を1名以上配置しなければなりません。業務管理者は国家資格ではなく、業務上の名称です。業務管理者になるには、宅建士もしくは賃貸不動産経営管理士の資格が必要など、一定の要件を満たす必要があります。

そこで今回は、賃貸管理業務に必要な資格について解説します。合格点や合格率、難易度のほか、その他のおすすめ資格や賃貸管理業務を効率化する方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

賃貸管理業務には資格が必要

賃貸管理業務には資格が必要

賃貸管理事業を始める場合、国土交通省に賃貸住宅管理業登録することが求められます。ただし、管理戸数によっては、登録は必須ではありません。

管理戸数国土交通大臣への登録義務
200戸以上必須
200戸未満任意(推奨)

管理戸数が200戸未満の場合、登録は推奨されているものの任意です。なお、管理戸数は「入居者との間で締結されることが想定される賃貸借契約の数」でカウントします。

また、200戸未満の場合でも、営業所または事務所ごとに「業務管理者」を1名以上配置しなければなりません。「業務管理者」として認定される条件は次のとおりです。

  • 管理業務に関する2年以上の実務経験+登録試験に合格した者
  • 管理業務に関する2年以上の実務経験+宅建士+指定講習を修了した者

このように、業務管理者になるには宅建士もしくは登録試験の合格が必要です。この登録試験というのは、令和3年度以降の賃貸不動産経営管理士試験のことを指します。

また、令和2年度までに賃貸不動産経営管理士に合格し、令和4年6月(移行期間終了)までに登録を受けた賃貸不動産経営管理士で、施行後1年の間に新法の知識についての講習(移行講習)を受講した者については、管理業務に関する2年以上の実務経験+登録試験に合格した者とみなすとされています。

ただし、オーナー自らが管理業務を行う場合、免許や資格は必要ありません。

※参考:国土交通省|賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方

賃貸管理業務に必要な資格の一つが賃貸不動産経営管理士

賃貸管理業務に必要な資格の一つが賃貸不動産経営管理士

賃貸管理業務において、「登録試験に合格した者」の条件を満たすために必要な資格が賃貸不動産経営管理士(賃貸管理士)です。ここでは、賃貸不動産経営管理士の受験資格や受験申込期間等、受験に必要な情報をまとめます。

※ここで紹介する情報はすべて令和5年度のものです。

受験資格日本国内に居住するもの
受験申込期間7月後半から9月
受験料12,000円(税込)※令和5年度の場合
申込方法インターネット、郵送
試験日毎年11月第3日曜(年1回)
合格発表日毎年12月
試験実施会場受験票に記載
試験内容四肢択一で50問、制限時間は120分

受験資格

日本国内に居住する方であれば、誰でも受験可能です。

ただし、賃貸不動産経営管理士に合格しても、以下の条件を満たさなければ業務管理者としてみなされません。

  1. 管理業務に関し2年以上の実務の経験を有する者
  2. その実務の経験を有する者と同等以上の能力を有する者(実務経験2年とみなす講習の修了をもって代える者等)

実務講習はこちらで受けられます。

賃貸住宅管理業務に関する実務講習

※参考:一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会受付センター|令和5年度賃貸不動産経営管理士試験実施要領(国土交通大臣登録試験)

受験申込期間

令和5年度の場合、受験申込期間は「令和5年8月1日(火)〜令和5年9月28日(木)」、資料請求期間は「令和5年9月21日(木)PM12:00まで」です。

令和6年度(2024年度)の受験申込期間は公表されていません。ただ、一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会受付センターのサイトによると、7月後半から9月にかけて「受験申込手続き」と記されています。

したがって、令和6年度も令和5年度と同じような日程になると予想できるでしょう。

受験料

12,000円(税込)です。受験料の支払方法は次の2つです。

  • クレジット決済
  • コンビニ決済

受験手数料(12,000円)に加えて、事務手数料400円(税込)が必要です。どのような理由であれ、返金や次年度以降への繰越はできないので注意しておきましょう。

令和6年度(2024年度)の受験料などは公表されていませんが、令和5年度と同額である可能性が高いです。

また、合格した場合は、賃貸管理士への登録料として6,600円(税込)が別途かかります。

申込方法

以下2つの方法があります。

  • インターネットで申し込む
  • 郵送で申し込む

申し込む前に、次の3つを用意しておきましょう。

  • インターネットに接続されたパソコン(推奨環境は最新版のGoogle ChromeまたはMicrosoft Edge)
  • メールアドレス(「shiken@c-keieikanrishi.jp」「system@p01.mul-pay.com」からのメールを受信できるよう設定しておくこと)
  • 証明写真(無帽・無背景で正面から上三分身を写したもの)

写真のファイル形式はJPEGで、サイズ上限は5MBまでです。上記3つを用意して、以下の流れに沿って申し込みましょう。

  1. 受験申込案内書を確認する
  2. 申込情報を入力する
  3. 受験手数料を支払う

これで申込完了です。

試験日

令和5年度の場合、「令和5年11月19日(日)13:00〜 15:00(120分間)」です。

毎年11月第3日曜(年1回)であるため、令和6年度(2024年度)は「11月17日」である可能性が高いでしょう。

合格発表日

合格発表日は毎年12月です。

令和5年度の合格発表日は、「令和5年12月26日(火)」となっています。

試験実施会場

受験会場は、11月上旬に発送される受験票で確認できます。

実施される会場の都道府県は次のとおりです。

北海道、岩手、宮城、福島、群馬、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、石川、長野、静岡、岐阜、愛知、三重、滋賀、奈良、京都、大阪、兵庫、島根、岡山、広島、山口、香川、愛媛、福岡、熊本、長崎、大分、鹿児島、沖縄(全国35地域)
※令和5年度の場合

受験票に記載された受験会場でしか試験を受けられず、原則会場の変更等はできないので注意しておきましょう。

試験内容

出題範囲は次のとおりです。

  • 管理受託契約に関する事項
  • 管理業務として行う賃貸住宅の維持保全に関する事項
  • 家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理に関する事項
  • 賃貸住宅の賃貸借に関する事項
  • 法に関する事項
  • 管理業務その他の賃貸住宅の管理の実務に関する事項

出題形式は四肢択一で50問あります。制限時間は120分です。

賃貸不動産経営管理士の合格点・合格率・難易度

賃貸不動産経営管理士の合格点・合格率・難易度

賃貸不動産経営管理士の合格点・合格率・難易度を紹介します。

賃貸不動産経営管理士の合格点

過去5年間の合格点は以下のとおりです。

年度合格点
令和4年度50問中34問以上(5問免除者は45問中29問以上)
令和3年度50問中40問以上(5問免除者は45問中35問以上)
令和2年度出題50問中34問以上(5問免除者は45問中29問以上)
令和元年度40問中29問以上(管理士講習修了者は、36問中25問以上正解した者)
平成30年度40問中29問以上正解した者(管理士講習修了者は、36問中25問以上正解した者)

参考:お知らせ(令和4年度賃貸不動産経営管理士試験の結果概要を発表)-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)

参考:プレスリリース(令和3年度賃貸不動産経営管理士試験の結果概要を発表)-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)

参考:合格者8,146名、累計合格者は78,075名令和2年度賃貸不動産経営管理士試験の結果概要を発表 | 一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会のプレスリリース

参考:令和元年度 賃貸不動産経営管理士試験 結果統計

参考:平成30年度 賃貸不動産経営管理士試験 結果統計

賃貸不動産経営管理士の合格率

令和4年度の場合、賃貸不動産経営管理士の合格率は次のとおりです。

年度合格者数合格率
令和4年度8,774名27.7%
令和3年度10,240名31.5%
令和2年度8,146名29.8%
令和元年度8,698名36.8%
平成30年度9,379名50.7%

平成30年度の試験では約半数が合格していますが、直近の試験では20〜30%の合格率で推移しています。

賃貸不動産経営管理士の難易度

難易度は受験者の主観による部分も多いため、断言できませんが、宅建士よりも合格率は高い傾向にあります。

年度賃貸不動産経営管理士宅建士
令和4年度27.7%17.0%
令和3年度31.5%17.7%
令和2年度29.8%16.8%
令和元年度36.8%17.0%
平成30年度50.7%15.6%

参考:一般財団法人不動産適正取引推進機構|令和4年度宅地建物取引士資格試験結果の概要

参考:令和 3 年度宅地建物取引士資格試験の結果について 

参考:令和 2 年度宅地建物取引士資格試験の結果について

参考:令和元年度宅地建物取引士資格試験の結果について

参考:平成 30 年度宅地建物取引士資格試験の結果について

かならずしも合格率の低い試験が「難しい」とは限りませんが、一つの目安と考えた場合、宅建士よりも合格しやすいといえるでしょう。

賃貸管理業務におすすめのその他の資格

賃貸管理業務におすすめのその他の資格

賃貸不動産経営管理士以外にも、さまざまな資格を取得することで、業務の幅を広げることができます。賃貸不動産経営管理士以外のおすすめ資格は次のとおりです。

  • 宅建士(宅地建物取引士)
  • 不動産実務検定
  • ファイナンシャルプランナー

それぞれ解説します。

宅建士(宅地建物取引士)

宅建士は国家資格の一つで、宅地(土地)や建物の売買・賃借の契約等に関わります。宅建士には、次のような独占業務があります。

  • 不動産取引における重要事項の説明
  • 重要事項説明書への記名・押印
  • 契約書への記名

上記の業務を行えるのは宅建士だけです。したがって、不動産の売買・賃借の契約においては欠かせない存在といえるでしょう。

宅建士の資格を取得していると、賃貸不動産経営管理士の資格がなくても、指定講習の修了と2年の実務経験があれば「業務管理者」になれます。ただし、宅建士は合格率が低く難関資格の一つとされているため、相応の学習時間の確保が必要となるでしょう。

不動産実務検定

不動産実務検定は、不動産運用にまつわる体系的な知識を身につけられる不動産投資専門の資格です。

民間資格ですが、国家資格では身につきにくい土地の実践的な活用や賃貸経営、不動産投資に関するスキルが身につきます。とくに、空室対策や満室経営、税金対策に関する知識を高めたい人におすすめです。

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーを取得すると、不動産のみならず金融全般の知識や民間保険、社会保障制度などの知識を身につけられます。

ファイナンシャルプランナーの資格は、大きく分けて2つあります。

  • 国家資格(FP技能士1〜3級)
  • 民間資格(AFP、CFP®)

まずは、最も優しいとされる「FP技能士3級」から挑戦してみましょう。

賃貸管理業務を効率化する方法

賃貸管理業務を効率化する方法

資格を取得すると仕事の幅が増えたり、新しい知識やスキルを活かして業務を効率化できたりします。ただ、資格の取得以外でも、賃貸管理業務を効率化する方法はいくつかあります。

たとえば、アウトソーシングの活用や賃貸管理業務システムの導入です。ここではそれぞれを詳しく解説します。

アウトソーシングの活用

賃貸管理業務の一部をアウトソーシングすることで、業務を効率化できます。たとえば、国土交通省のアンケートによると、管理業務のうち「清掃」や「維持管理・修繕(設備点検等)」は、委託している割合が高くなっています。(※)

ただし、アウトソーシングは外注費がかかってしまう点に注意してください。アウトソーシングによる収益性をしっかりと見込んだうえで、適切なアウトソーシング先を見つけるのがおすすめです。

※参考:国土交通省|賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査(管理業者)

賃貸管理業務システムの導入

賃貸管理業務システムを導入し業務のDX化を図ることにより、それまで手作業で行っていた業務をすべて自動化することが可能です。

たとえば、エクセルで管理する場合、同じ情報を何度も入力しなければならないといったケースも少なくありません。くわえて、法改正が行われると、従業員が手作業で書類等を更新しなければならず、生産性のない業務に時間を奪われてしまうこともあります。

このような問題点をすべて解決し、生産性の向上やトラブルの予防を実現できるのが賃貸管理業務システムです。

賃貸管理業務システムなら『いい生活賃貸管理クラウド』

賃貸管理業務システムなら『いい生活賃貸管理クラウド』

賃貸管理業務システムにはさまざまな種類がありますが、いい生活のクラウドSaaS賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』ならあらゆる賃貸管理業務を効率化できます。

ここでは、クラウドSaaS賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』をおすすめする理由を5つ紹介します。

効率化する便利な機能が数多く搭載されている

クラウドSaaS賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』は、賃貸管理業務の効率化に役立つ数多くの機能が搭載されています。

  • 顧客・取引先の管理
  • 重説・契約書の作成
  • 電子契約
  • 経費の登録
  • 案件や鍵の管理
  • 契約の簡易登録・更新管理
  • 変動費管理
  • FB・保証会社との連携
  • 督促の管理
  • 年間収支の確認
  • 入出金・売上管理
  • 会計ソフトとの連携
  • オーナーへの送金
  • 青色申告・支払調書の作成
  • TODO管理
  • 承認機能・権限設定
  • 関連情報/ファイル管理
  • 帳票の出力とカスタマイズ
  • アプリとの連携
  • 募集情報も含めた一元管理

エクセルの場合、複数の関数を使って表を作り、口座を確認して入金の有無を手動で入力しなければなりません。そこからオーナーへの手数料を引いて送金したり、入金が遅れている人に督促の連絡をしたりと業務が非常に煩雑になります。

しかしクラウドSaaS賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』であれば、入居者の入金状況を簡単に確認できるうえ、オーナーへの送金管理や督促の管理もすべてシステム上で可能です。

法改正等でのアップデートがタイムリーに行われる

不動産業界は頻繁に法改正が行われます。エクセルや紙を使って契約事務を行っている場合、法改正の対応が漏れていると、深刻なトラブルやクレームにつながりかねません。また、自分たちで更新作業をすると、膨大な時間がかかってしまうこともあります。

その点、クラウドSaaS賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』であれば、ベンダー側(『いい生活賃貸管理クラウド』のサービス提供企業側)が法改正に伴う更新業務をすべて対応してくれます。タイムリーかつ無料(追加費用なし)でアップデートしてくれるため、対応漏れによるトラブルやクレームに発展する心配もありません。

直感的に操作できる

エクセルの場合、パソコンに慣れていないと難しい関数やマクロの作成にかなりの時間がかかってしまいます。計算式が間違っていると管理業務に影響するだけでなく、収益にも大きなダメージを与える可能性があるでしょう。

クラウドSaaS賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』は、パソコンに慣れていない人でも、簡単に操作できるような仕様となっています。くわえて、一度データを作成しておけばさまざまな場面でそのデータを流用できるため、いちいちゼロから入力する手間も必要ありません。

従業員全員が同じシステム上で情報を共有・管理できる

クラウドSaaS賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』は、リアルタイムな情報共有も可能です。アカウントも無制限に作れるため、担当者以外の人でも必要な情報にアクセスできます。

紙やエクセルの場合、情報を共有するためには担当者に連絡しなければなりません。場合によっては時間がかかるうえに、何度もやりとりを重ねる必要も出てくるでしょう。クラウドSaaS賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』を使えば、そのような手間もかかりません。

業務支援を含めさまざまなサポートを提案できる

クラウドSaaS賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』は、サポート体制も充実しています。導入前・導入後、どのタイミングにおいてもサポート可能です。たとえば導入前の場合、貴社担当スタッフが現状分析やシステム設計の相談、導入プランの提案まで幅広く支援します。

賃貸管理システムの中には、土日祝のサポートに対応していないところも少なくありません。しかし、『いい生活のクラウドSaaS』は年末年始および当社指定休日を除き、土日祝も専門スタッフが常駐していることから、安心したシステム運用をご提供しています。

賃貸管理業務の資格取得を目指そう

賃貸管理業務の資格取得を目指そう

賃貸管理業務自体には、資格は必要ありません。ただし、賃貸管理事業を始める場合、資格を持った「業務管理者」の配置が必要です。本記事で紹介した内容を把握して、賃貸管理業務の資格取得を目指しましょう。

賃貸管理業務の資格を取得したあとは、生産性の向上やトラブルの予防などを目指すことが大切です。クラウドSaaS賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』なら不動産管理を簡単にDX化でき、あらゆる賃貸管理業務を最適化できます。簡単にオンライン相談もできるので、お気軽にお問い合わせください。

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