不動産業界での起業方法を6ステップで紹介|起業する際の注意点も解説

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不動産業界での起業方法を6ステップで紹介|起業する際の注意点も解説

不動産業界で働いている方の中には、「近いうちに起業したい」と考えている方もいるでしょう。しかし、起業したいといってもまずは何から準備すれば良いのか、どのような流れで起業に向けた手続きを行えば良いのかわからない方もいるはずです。不動産業で起業するためにはしっかりと準備を整え、あらかじめ注意すべきことを把握しておく必要があります。 

そこで今回は、不動産業界で起業するための6ステップを中心に、準備すべきことや注意点について解説します。不動産業界での起業を成功させたい方は、ぜひ参考にしてみてください。 

不動産業で起業するために準備すること

不動産業で起業するために準備すること

不動産業界で起業する前に、まずは準備が大切です。ここを飛ばして起業しようとすると、場合によっては失敗に陥ってしまう可能性もあります。そのため、しっかりと準備を行った上で起業を進めていきましょう。 

起業の目的を明確にする

まずは起業する目的を明確にしていきます。そもそもなぜ起業したいのかを考えてみましょう。例えば、以下のような目的が挙げられます。

  • 自分の力で多くのお金を稼ぎたい
  • 経営者になって自由な時間を持てるようになりたい
  • 自分のやり方でお客様を喜ばせたい
  • 社会貢献につなげたい など

これらの大きな目的が決まったら、次に具体的な目標を決めていくことが大切です。例えば、「自分の力で多くのお金を稼ぎたい」という目的の場合、月にどれだけの利益を出し、利益を出した上で何をしたいのかを決めていきます。 

大きな目的が決まったとしても、そこから具体的にどのようにしていくべきか道筋が見えなくなってしまうため、具体的な目標設定は重要です。 

経営形態を決める

目的が定まったら経営形態も決めていきます。経営形態は主に以下の2種類です。

  • 個人経営
  • 法人経営

選択肢によって開業時の手続きや必要な資金、支払う際の税率などが異なってきます。個人経営だと初期費用を比較的抑えて開業でき、手続きも法人経営ほど面倒ではありません。ただし、個人は法人に比べて社会的信用度が劣ってしまい、場合によっては銀行から融資を受けられない場合もあります。 

法人経営では開業手続きに手間はかかってしまうものの、社会的信用度が高く銀行からの融資も受けやすいです。また、税制上のメリットも個人に比べて比較的大きくなります。 

業務形態を決める

経営形態と同様に、業務形態も決めていきます。一般的に不動産業で起業するとなると、最初は設備投資のかからない、賃貸または売買の仲介業からスタートする方が多いです。不動産業の主な業務形態は、賃貸・売買の仲介業以外にも以下の業態があります。

  • 不動産コンサルティング
  • 不動産デベロッパー
  • 賃貸管理業

不動産コンサルティングは不動産の購入・売却・管理・活用に至るまで、不動産に関するさまざまな悩みを解決するためにサポートやアドバイスを行う業態です。不動産コンサルタントも賃貸・売買の仲介業と同様に元手があまりかかりません。 

不動産デベロッパーは大規模なマンションやビル、場合によっては街全体の不動産を開発する業種であり、資金力などの問題からいきなり起業でデベロッパーを目指すのは難しい可能性があります。

賃貸管理業ではまず預かる物件を確保する必要があります。前職でオーナーとの人脈を形成している人なら始めやすいでしょう。 

開業資金を確保する

不動産業で起業するためには開業資金も準備しておく必要があります。日本政策金融公庫が実施した「2023年度新規開業実態調査」によれば、全業種において開業時の資金調達額は平均1,180万円で、資金調達先は金融機関の借り入れが約65%、自己資金が約25%を占めていると報告されています。 

不動産業でも同様に、開業資金を確保する際には金融機関からの借り入れと自己資金の両方を考えておく必要があります。金融機関からの借り入れを計画する際は、資金計画を策定しておくようにしましょう。 

資金計画を立てておくと資金の流れが把握しやすくなります。新規事業についてどれだけの収益性があるのかを客観的に示すことで、金融機関から借り入れがしやすくなる場合もあるでしょう。 

不動産業で起業するための6ステップ

不動産業で起業するための6ステップ

不動産業で起業するにあたって、どのような流れで進めていけば良いのでしょうか?ここからは、起業するための6ステップをご紹介していきます。 

1.事務所を用意する

不動産業で起業するには、宅地建物取引業免許の取得条件となっている事務所を確保しなくてはなりません。この場合の条件は、「継続的に業務ができる」「独立性が保たれている」の2点です。 

例えば、自宅の一部を事務所として活用したい場合、自宅と共用ではない入口が必須となります。また、普段生活する空間ときっちり分かれていなくてはなりません。 

なお、事務所を用意する際には集客がしやすいかもポイントになってきます。人通りが多いエリアなのか、駅からアクセスしやすいかなどはチェックしておきましょう。 

2.法人の場合は会社を設立する

経営業態を法人とした場合、会社を設立する必要があります。会社を設立するには、会社法に則って手続きを進めていかなくてはなりません。会社設立の流れは以下のとおりです。

  1. 会社の基本事項を決定する
  2. 定款を作成し、公証人役場から認証を受ける
  3. 資本金を払い込む
  4. 法務局に登記申請を行う

会社の基本事項とは、商号(会社名)や目的、所在地、資本金、役員などを指します。会社を設立するためには複数の手続きで書類を準備する必要もあるため、極力手間を省きたい方は行政書士・司法書士などに委託すると良いでしょう。 

会社設立の時点で、定款認証を受けるための収入印紙や登記申請を行う際の登録免許税、行政書士・司法書士に手続きを委託した場合の報酬などがかかってきます。 

3.宅地建物取引士を確保する

宅地建物取引業法において、不動産業を営んでいる事務所には専任の宅地建物取引士(宅建士)を、従業員5人のうち1人以上の割合で設置することが義務付けられています。宅地建物取引士は法的に正しく不動産取引が行われているかをチェックするための重要な役割を持っています。1人で起業する場合は、本人が宅地建物取引士の資格を保有していれば問題ありません。 

宅地建物取引士の資格を保有していない場合は、宅地建物取引士の資格を持つ人を雇用し、専任の宅地建物取引士として務めてもらうことになります。なお、ここで重要となってくるのは「専任性」です。 

専任とは常勤していて、なおかつ専門であることを示します。つまり、事務所の近くに住んでいて他の企業には勤めていない人を指します。専任であるように見せる「名義貸し」はNGなので注意しましょう。 

4.宅地建物取引業免許を取得する

次に、宅地建物取引業免許を取得します。これは、国民にとって重要な財産となり得る不動産を取り扱うにあたって高度な専門性が必要とされるからです。免許を取得するには以下の条件を満たしている必要があります。

  • 欠格事由に当てはまらない
  • 事務所の形態を整えている
  • 宅地建物取引士を設置している

上記条件を満たした上で、事務所の所在地がある都道府県庁の宅地建物取引業担当課で申請手続きを行います。事務所が1カ所であれば都道府県知事、2カ所以上の都道府県で事務所を設置する場合は国土交通大臣に申請します。ただし、窓口はすべて都道府県庁の窓口で問題ありません。 

免許申請書や商号登記簿謄本、身分証明書などの提出書類を準備し、窓口で本人が手続きを進めていきます。なお、申請時に申請費用として、知事免許の場合は33,000円、大臣免許の場合は9万円と金額が異なりますので、注意が必要です。 

5.営業保証金を供託する

申請手続きが済んだら、営業保証金を供託することになります。営業保証金とは、不動産会社が営業を始める前に供託所へ供託するための費用です。免許が登録されてから3カ月以内に手続きを行う必要があります。 

不動産業では万が一債務不履行などが起きてしまった場合、相手方の損害に対して弁済を行わなくてはなりません。とくに不動産売買となると金額も大きくなり、損害発生による多額の賠償金を請求されるケースもあります。手元に資金がない状態では相手に弁済ができないといった事態も考えられるため、あらかじめ営業保証金の供託として弁済できるようにしているのです。 

通常、営業保証金の供託には主要の事務所で1,000万円、その他事務所ごとに500万円がかかります。例えば、東京都内と埼玉県に事務所を1つずつ設置した場合、合計1,500万円の営業保証金が必要です。 

ただし、営業保証金は保証協会に加入して弁済業務保証金分担金を納付すると、主要の事務所で60万円、その他事務所ごとに30万円まで抑えられます。開業時の初期費用を抑えたい場合は、保証協会の加入を検討してみましょう。 

6.都道府県の宅地建物取引業協会に加入する

営業保証金の供託でもご紹介しましたが、宅地建物取引業を開業する際には宅建協会への加入がおすすめです。営業保証金1,000万円を免除してもらえるだけでなく、加入によってさまざまなサービスを受けられるようになります。 

例えば、宅建協会の会員だけが取り扱える全宅住宅ローンやネット営業支援、税務相談・法律相談、REINS(不動産情報ネットワークシステム)の活用などがあります。また、Web研修や実務セミナーなどを定期的に開催するなど、スキルアップ支援も行っているのが特徴です。 

不動産業で起業する際のポイント

不動産業で起業する際のポイント

ここまで不動産業で起業するための準備と流れについて解説してきました。流れを把握できればあとは準備を進めていくだけです。ただし、いくつか注意しておきたいポイントもあるので、こちらも確認しておきましょう。 

不動産業の勉強をしっかり行う

不動産業で起業する際には、まずしっかりと勉強しておくことが大切です。勉強は業務に直接影響するものはもちろん、税務や経営についても学んでおくと良いでしょう。勉強する方法としては以下の方法が挙げられます。

  • 不動産会社に勤める
  • セミナーに参加する
  • 経験者の書籍やブログを読む など

不動産業が未経験であれば、まずは不動産会社に勤めてみてどのような流れで不動産取引が行われているのかを知り、経験を積むことも大切です。また、近年は「ウェビナー」という形でオンラインからセミナーに参加もできます。独立開業などをテーマにしたセミナーに参加すると、さまざまな知識が得られるでしょう。 

例えば、いい生活のセミナーでは賃貸管理、賃貸・売買仲介の皆様のお役に立つ最新情報をご紹介しています。ご興味のある方はご気軽にご参加ください。

参考:セミナー・アーカイブ動画 アーカイブ | 不動産管理・仲介業務のDXならいい生活のクラウドSaaS

地域密着でスタートする

不動産業を始めるにあたって重要となってくるのは、「集客」です。とくに少人数で起業するとなると、人脈が乏しいことで集客に苦戦する可能性もあります。集客ができないと利益も出せなくなってしまうので、集客について考えておくことも大切です。 

少人数で起業する場合には、地域密着型でエリアを絞って集客していくのがおすすめです。エリアを絞ることで、より深く顧客のニーズに応えることができるようになり、顧客との信頼関係も築きやすくなります。 

とくに不動産売買では「知られていること」が信用度につながり、売上にも影響してくるため、まずは地域密着型の不動産屋として展開していくと良いでしょう。 

集客を意識して事務所の立地を選ぶ

起業する際に集客が重要であることは前項でもご紹介しましたが、実際に人を集めるためには事務所の場所も影響してきます。例えば、同じ地域にある不動産会社でも、繁華街と裏路地では集客の成果は大きく異なります。 

繁華街であれば、看板やのぼりなどが人の目に触れる機会も多くなり、お客様も訪問しやすいといったメリットがあります。一方、目立たない場所に出店してしまうと人の目に触れないのはもちろん、訪問しづらく、場合によっては断念してしまう人が出てくるかもしれません。 

こうしたリスクを回避するためにも、物件を探す際には人の目に触れやすく、駅からもアクセスがしやすい場所を選ぶようにしましょう。また、地方であれば駐車場が確保しやすい場所を選ぶことも大切です。 

十分な開業資金や運転資金を確保する

起業を成功させるためにも、十分な開業資金・運転資金を確保することも重要です。開業資金は事務所の家賃や内装費用、電話やネット回線などをつなげる工事費用、PCなどの設備投資などが挙げられます。 

運転資金は、開業してからしばらくの期間、経営を継続できるようにするための資金です。例えば人件費や広告費、維持費などは運転資金から賄います。起業してからしばらくの期間は、集客に苦戦してしまう可能性なども考えておく必要があるため、運転資金はある程度用意しておいた方が良いでしょう。 

開業資金は事務所の立地や規模にもよりますがおおむね200~500万円、運転資金は軌道に乗るまでの期間として約1年分の運転資金を確保しておくと安心です。 

競合他社との差別化に取り組む

他の業界と同様に、不動産業でも競合との差別化は必須となります。競合との差別化を図る際には、まず「この不動産会社だから利用したいと思える」強みを作っていくことが大切です。例えば、ファミリー向けの物件提案など、特定の顧客属性や物件に強みを持っている場合は、過去の実績などをアピールしていくと競合他社との差異化がしやすくなります。また、消費者のニーズに合わせて、オフラインの戦略だけではなく、オンラインでの訴求戦略も考えておく必要があります。オンラインを活用した戦略には以下の施策が挙げられます。

  • Web広告
  • 不動産ポータルサイトの活用
  • WebサイトやSNSの運用
  • メルマガやLINE公式アカウントの運用
  • MEO対策 など

 人脈と信頼関係を大切にする

不動産業で成功するには、人脈と信頼関係が重要です。不動産の業界団体などが主催するセミナーやイベントなどに参加し、積極的に意見交換などを行い、同業者とのつながりを構築していきましょう。同業者とのつながりが増えると課題などを共有し合えるようになるだけでなく、案件を紹介してもらえるといった具体的なビジネスにつながる可能性もあります。 

人脈と信頼関係を構築するには時間がかかるものです。それだけ価値の高いものでもあるため、開業前からコツコツと人脈と信頼関係を築き上げていくようにしましょう。 

営業以外の業務もしっかり取り組む

起業時にはどうしても営業の実務ばかりに目が向いてしまいがちですが、成功するためには営業以外の業務にもしっかりと取り組む必要があります。例えば、以下のような業務です。

  • 会計
  • 人事
  • 法務

会計は、経営状況を把握することはもちろん、税務対策を行う上でも重要な業務となります。人事は社員の採用や育成、労務管理における業務となるため、従業員を雇い入れる場合には欠かせない業務です。法務も、不動産業では法律に基づいた契約書の作成を行うことも多いため、重要な業務の1つといえるでしょう。 

このように、営業活動以外にも重要な業務は多く、いずれか1つでも欠けてしまうと長期的なビジネスの成長も難しくなってしまうため注意が必要です。 

不動産業の業務効率化や集客にはIT活用がおすすめ

不動産業の業務効率化や集客にはIT活用がおすすめ

不動産業で起業する場合、物件確認や追客業務なども必要となってきます。これらの業務を少人数でこなそうとすると非常に手間と時間がかかり、効率も悪くなってしまうでしょう。また、起業して間もない時期は資金に余裕がなく、人を雇い入れることも難しいかもしれません。 

そこで、少人数で起業した場合でも業務効率化や集客効果をアップさせたい場合は、IT活用が有効です。不動産業務に関わる、あらゆる「不便」を解消したい方は『いい生活のクラウドSaaS』を取り入れることを検討してみてください。 

いい生活のクラウドSaaS』は不動産賃貸管理・賃貸募集業務に加え、関連業務も含めて一元管理できるサブスク型の業務支援システムです。賃貸仲介業務・売買仲介業務・賃貸管理業務それぞれに適した支援システムを提供しているため、自身に合ったサービスを活用することで、業務効率化を実現できるでしょう。 

また、土日・祝日も対応可能なサポートセンターを設置しているため、導入後にわからない箇所があってもすぐにサポートできる体制を整えています。初めてのIT活用でも安心して『いい生活のクラウドSaaS』にお任せください。 

しっかり準備して不動産業で起業しよう

しっかり準備して不動産業で起業しよう

起業をしようとなると、資金や手続きが必要だったり、経営について戦略を立てたりしていく必要があるため、大きな業務負荷がかかります。ましてや、少人数で不動産業を営む場合にはあらゆる業務を少ない人数でこなしていく必要が生じるため、その負荷はことのほか大きいといえるでしょう。 

しかし、組織に属さないことで自由度の高い働きができ、青天井で利益を伸ばせる可能性があることは起業の大きなメリットといえます。その際、きちんと準備を行っておけば失敗するリスクも低くできるはずです。 

また、起業時に業務効率化を目指す際には業務支援システムの活用がおすすめです。不動産業に特化した『いい生活のクラウドSaaS』について詳しく知りたい方は、ぜひ以下のURLからお問い合わせください。 

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