本コラムは全国の不動産会社様の研修会や、団体様、協会様のセミナーにて講演させていただき、好評いただいております弊社COO北澤のオリジナルセミナー資料「無駄を省くIT戦略とスマホ時代のIT戦術」から一部を抜粋、加筆したものを掲載しております。
課題
管理会社において管理システムとは全社システムの中核をなすべき存在、各システムと情報のハブになるものでないといけない。にもかかわらず、会社全体のシステム系を見回すと、あたかも、管理システムを中心に増改築を重ねた家のようになっています。
ハード、ソフト、OSの年代差の存在
それぞれのシステムに年代差が存在し、管理システム本体も含め、部分部分の更新の時期が違ったりして経済面、技術面でスムーズな更新ができない。更新ができたとしても、ほかのシステムとの連携に不具合が生じることが多々あります。
今、この瞬間でも社内及び社外のシステムとの情報のやり取りができなかったり、できたとしても不足があったりという状態
結果、同一情報が複数の場所で何度も入力、生成されたり、情報の不足を補う入力という無駄な作業が行われています。
自社付けする力を強めるにはどうしたらいいか。
取るべき施策
管理システムは止まってはいけません。二重のBCPの対応策。
クラウドコンピューティングの採用
クラウドの採用により、システムのアップグレード、業法、税金、社外のシステムの変化に対応できます。クラウドによって、大切な情報や機能は、災害など不測の事態でも担保され運用を継続することができます。(自社BCPに対応)
その場合、クラウドサービス提供会社は、健全な経営状況でなければいけません。
そして、世の中の変化についていける開発力と資金力を有し、かつ、個人情報の取り扱い・セキュリティについて外部の認証機関から認証を受けているべきであるでしょう。
クラウドサービス会社こそ、BCPがしっかりと策定され実行できる会社でないといけないのではないでしょうか。
※財務諸表(P/L、B/S)の確認をおすすめします。
※帝国データバンクなど第三者評価機関のチェックをおすすめします。
考慮すべきポイント
- 管理システムであるからこそ、不測の天災など万が一の時にも、オーナー、入居者、物件情報が安全なところにあり、事業を継続できる状態か。
- 税金、業法などの変更に滞りなく対応できるか?
- 社内的には、各部門、業務で導入したシステムとのスムーズ、不足のないデータのやり取り、共有が可能か。
(募集系、問い合わせ、管理、アンケートなど連動ではなく、同じデータベースであれば時差も情報の追加なども不要になる) - これからの時代の管理会社に求められる、【 自社仲介力・集客力のある管理会社 】として、管理に必要な情報と共に、募集に必要な最新情報を格納でき、メンテナンスがスムーズに行え、最新情報を市場に提供できているシステムか?(オーナーが第一に求めることは、入居させること)
- IT化が加速している募集、契約系のシステムときちんと連携し、管理システムとしてデータ保持が出来るのか。
- 売買との連携、相乗効果はが得られるか?
(管理システムに登録した物件、オーナー、入居者のデータは、そのまま売買部門でも重要なデータ。社内唯一の建物情報であり、常に最新情報が必須)
以上、「無駄を省くIT戦略~不動産業務とIT活用例①~管理会社と管理システム」でした。
最後までお読みいただいただいた皆様には、ぜひ「課題」「取るべき施策」「考慮すべきポイント」をご参考、ご活用いただければと存じます。