内容証明郵便とは?書き方やその効力、作成を外注するメリットについても解説

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内容証明郵便とは?書き方やその効力、作成を外注するメリットについても解説

内容証明郵便とは、「いつ、誰に、どのような手紙を送ったか」を郵便局が証明してくれるサービスです。一般的に「内容証明」と呼ばれ、さまざまな業界で利用されています。

そこで今回は、内容証明郵便の基本的な概要に加えて、不動産業務での書き方や効力、作成のポイントについてご紹介します。内容証明郵便に関心のある方はぜひ参考にしてください。

内容証明郵便とは? 

内容証明郵便とは? 

内容証明郵便は、いつ、誰に対して、どのような郵便を送ったかを証明するためのものです。内容証明郵便を送る際には同じ内容の書類を3部用意し、そのうちの1部は郵便局が保管します。これにより、郵送物の内容や発送日を証明できます。

内容証明郵便を送っただけでは法的な問題が解決するわけではありませんが、裁判などでは内容証明郵便が証拠として利用されることがあります。また、送付相手に心理的なプレッシャーを与える効果も期待できます。

不動産業で内容証明を作成・送付するケース

不動産業で内容証明を作成・送付するケース

内容証明は、不動産業の場合、以下のケースで用いられることが多いです。

  • 家賃を滞納している入居者への督促
  • 賃貸借契約解除の予告や通知
  • 定期借家契約の契約満了における事前通知

それぞれのケースの詳細について解説します。

家賃を滞納している入居者への督促

家賃の支払いが数日遅れている場合は、電話や口頭、文書で支払いを促します。しかし、何度連絡しても家賃が支払われない、または長期間滞納している場合は、内容証明で支払いを督促することを考えましょう。文面には、「○日までに家賃を支払わない場合は契約を解除します」といった内容を含めることもあります。

なお、こうした家賃滞納の状況や滞納期間を把握し、適切に対応するためには、管理ツールの利用が効果的です。例えば、クラウドSaaS賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』を使用すれば、督促状の一括出力や未入金の一覧表示など、さまざまな機能で滞納管理をサポートしてくれます。

賃貸借契約解除の予告や通知

借主が家賃を滞納したり、注意された事項を改善しなかったりする場合、再三の注意にもかかわらず改善が見られないときは、契約解除の予告・通知を内容証明郵便で送ることを検討しましょう。

例えば、「○日までに契約違反をやめない場合は契約を解除します」という文面が考えられます。この場合、契約違反の是正よりも契約解除の方向に進むことが一般的です。

賃貸借契約の解除を予告・通知する場合、借主が自分の行動が違反であると認識していないことも少なくありません。貸主と借主の関係が修復不能なことも多く、最終的に契約解除に至ることが通例です。また、裁判に発展する可能性もあるため、弁護士に相談しながら進めることをおすすめします。

定期借家契約の契約満了における事前通知

賃貸契約において定期借家契約がある場合、契約が終了する際に通知を送ることがあります。一般的には、契約終了の1年前から半年前までの間に、書面で契約終了を知らせます。この通知により、借主は反論できなくなります。

ただ重要なのは、この通知を行うのは不動産会社や管理会社ではなく、オーナー自身であるという点です。そのため、終了通知書にはオーナーの署名や押印が必要です。また、終了通知の手続きを不動産会社に委任する場合は、委任状も必要となります。

内容証明の効力

内容証明の効力

続いて内容証明の効力についてご紹介します。

裁判時に証拠となり得る

家賃の滞納が理由で退去を求める際、借主に電話や文章で連絡しても対応がない場合、内容証明が強力な手段となります。

裁判になったとき、借主が「立ち退きを求められていない」や「請求を聞いていない」と主張することがあります。このような場合、内容証明を使うことで、貸主がいつ・どのように要望を伝えたかの証拠となります。

相手に対する事実上の強制力、真剣さを伝えられる

内容証明は、一般的な郵便に比べて差し出す側の真剣さを強く伝えられる手段です。一般の郵便と異なり、配達員が直接手渡しすること、すべてのページに割印がされていること、書面に認証スタンプが押されていることなどから、受け取る側に対して心理的な圧力を与えることができます。

さらに、「このままでは裁判に発展する可能性がある」というメッセージを含むため、受け手である借主に適切な対応を促し、問題の早期解決が期待できます。

確定日付を取得できる

内容証明郵便を送ることで、その送付日が正式に記録されます。この記録は、郵便局が内容証明を受け取った日を指し、その日付が法律上の証明となります。

内容証明郵便送付により、郵便が届いた日以降、または郵便で示した弁済期日以降は債務不履行にあたると考えられ、遅延損害金の請求が可能です。

内容証明の書き方 

内容証明の書き方 

ここからは、内容証明の書き方と手順についてご紹介します。

用紙が複数枚になるときは綴じ目に契印・割印が必要

内容証明は、1枚の用紙に無理に収める必要はありません。用紙のサイズや枚数に制限はなく、原稿用紙、メモ帳、コピー用紙、便箋など、どのような用紙でも使用可能です。ただし、感熱紙は長期保存に向いていないため避けた方が良いでしょう。

内容証明が2枚以上になる場合は、すべてのページをホチキスなどで綴じ、ページの繋ぎ目に契印や割印を押します。これにより、ページの差し替えや抜き取りを防ぐことができます。

1行あたりと1枚あたりの文字数が決まっている

内容証明の用紙には特定の形式はありませんが、文字数にはルールがあります。縦書きの場合は「1行に20文字以内、1枚につき26行以内」と定められています。横書きの場合は「1行に13文字以内で1枚に40行以内」か、「1行に26文字以内で1枚に20行以内」です。

これらの規定は内国郵便約款で定められていますので、注意が必要です。文字数の制約を避けたい場合は、400字詰めの原稿用紙や市販の内容証明郵便用紙を使用することをおすすめします。

外国語は固有名詞以外使えない

内容証明には、「ひらがな・カタカナ・漢字・数字・一部の記号や句読点など」が使用可能です。ただし、英字は氏名、会社名、地名などの固有名詞に限られており、外国語で内容証明を送ることはできません。

借主が外国人であっても、内容証明は日本語で送る必要があります。また、括弧は1セットで1文字とカウントされます。使用可能な記号についての詳細は、郵便局のホームページで確認できます。

間違えたら二重線で消してハンコを押す

内容証明の文章を訂正する際は、誤りを二重線で消し、欄外に「何字削除、何字加入」と記載し、差出人のハンコを押します。ハンコは三文判でも大丈夫です。

内容証明は3通必要ですので、事前に3通すべてを確認し、誤字や脱字がないかチェックしておくと安心です。また、郵便局で誤りを指摘されることもありますので、提出時にはハンコを持参することをおすすめします。

封筒に封をしないまま郵便局に出す

内容証明を送る際には、封筒に封をせずに郵便局に持ち込みます。これは、内容証明の文書を郵便局で確認してもらう必要があるためです。封をするのは、確認を受けた後になります。

また、内容証明には参考資料として写真や資料を同封できません。もし同封したいものがある場合は、「ご希望の場合は資料(写真)のコピーを差し上げます」などと記載し、別途送付するようにしましょう。

内容証明に記載する事項

内容証明に記載する事項

内容証明郵便に記載する事項は以下のとおりです。

差出人と受取人の住所差出人と受取人の住所氏名は必ず記載する必要があります。手紙の文頭または文末に書き、捺印します。代理人を立てた場合は、誰の代理人であるかを明記し、代理人が複数いる場合はそれぞれの名前を記載します。
差出人が複数人の場合差出人が複数人いる場合は、全員の住所氏名を記載します。また、封筒の裏側にも全員の住所氏名を記載する必要があります。
受取人が複数人の場合受取人が複数いる場合、内容証明郵便の種類によって記載方法が異なります。「完全同文内容証明郵便」の場合は、すべての受取人の氏名住所を記載します。「不完全同文内容証明郵便」の場合は、文頭または文末に個別の受取人の住所氏名を記載します。
文書の表題文書の表題をつけることは必須ではありませんが、表題が必要な場合は「通知書」と記載しておくと良いでしょう。

内容証明を郵便局に出す前に気をつけたいこと

内容証明を郵便局に出す前に気をつけたいこと

内容証明には細かな決まりがいくつもあります。ここからは、内容証明郵便を出すときに気をつけるべきことについてご紹介します。

書面は3通作成しておく

内容証明は、以下の3通を用意します。

  1. 受取人に送るもの(正本)
  2. 差出人の保管用(1通)
  3. 郵便局の保管用(1通、謄本)

この3通の内容証明がすべて同じ内容であることが確認されると、郵便局に保管されたものが公的な証拠となります。また、送付の際には配達証明をつけると良いでしょう。

配達証明は、相手に確実に届いたことや、いつ届いたかを証明するものです。内容証明だけで十分と考えがちですが、配達証明は別物であり、両者を混同しないように注意が必要です。

内容証明の取り扱い可否を確認する

内容証明郵便は、すべての郵便局で取り扱っているわけではないため、事前に確認が必要です。内容証明を取り扱うのは、集配郵便局や郵便事業会社が指定した無集配郵便局に限られます。

内容証明を送る際には、最寄りの郵便局が対応しているかを事前に確認しましょう。もし、近くに内容証明を取り扱う郵便局がない場合は、電子内容証明の利用も一つの方法です。電子内容証明はインターネットを通じて送るもので、法的効力は通常の内容証明郵便と同じです。利用するには、事前に登録し、クレジットカードを準備する必要があります。

内容証明郵便には費用がかかる

内容証明郵便を送る際には、通常の郵便とは異なる料金が必要です。基本の郵便料金に加え、一般書留と内容証明の追加料金がかかります。

内容証明の追加料金は480円です(2024年7月現在)。2枚目以降のページには1枚ごとに290円の追加料金が発生します。さらに、内容証明郵便に速達や配達日指定、配達証明などのオプションをつける場合は、それぞれの追加料金も必要です。

配達証明書は内容証明の控えと共に保管する

内容証明を送る際に配達証明も依頼すると、後日郵便局からはがきが送られてきます。この配達証明は、相手が内容証明を受け取ったことを証明するものです。したがって、内容証明の控えと一緒に保管しておくと良いでしょう。

内容証明の作成を弁護士・行政書士に任せるメリット 

内容証明の作成を弁護士・行政書士に任せるメリット

内容証明の作成に不安がある場合は、弁護士や行政書士に依頼することをおすすめします。弁護士や行政書士に依頼するメリットは以下のとおりです。

正しい文書や形式で作成してもらえる

内容証明の作成には細かなルールがあり、それを遵守する必要があります。インターネットでルールを確認しながら書類を作成すると、非常に時間がかかります。また、記載に不備があると内容証明の効果が低下する恐れもあります。

しかし専門家に依頼すれば、正確な文書と形式で有効な内容証明を迅速に作成してもらうことが可能です。その結果、適切な内容証明を相手に送ることができます。

相手にプレッシャーを与えられる

家賃の滞納や未払いのために内容証明を送る場合、差出人に弁護士や行政書士の名前を使うと、相手に対して強いプレッシャーを与えることができます。「支払いに応じない場合は法的措置を検討する」と弁護士や行政書士の名前で記載すれば、相手が適切に対応する可能性が高まるでしょう。

安心感につながる

個人で内容証明を送った場合、相手の反応にどう対処すれば良いかわからないことがあるかもしれません。反応がある場合もない場合も、次に取るべき行動について法律の専門家に相談することで、安心感が得られます。

安心感が得られれば、冷静に対処でき、その後の展開を有利に進められる可能性が高まるでしょう。また、状況に応じて、その後のやり取りをすべて専門家に任せるという選択肢も、安心感を高めるポイントとなります。

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ここまで、内容証明について、その効力や必要となる場面、作成のポイントなどについて説明してきました。しかし、内容証明の作成には手間や費用がかかるため、可能であればその作成前の段階で問題を解決できることが望ましいです。

例えば、賃料の滞納が発生した場合、内容証明を送る前に入居者との円滑なコミュニケーションを図ることが重要です。しかし、入居者の人数が多いとその管理は大変です。

そんなときは、賃料の滞納状況や滞納期間、督促状況などの入居者管理を効率的に行うために、クラウドサービスを利用して一括管理をしましょう。クラウドSaaS賃貸管理システム『いい生活賃貸管理クラウド』は、これらの督促管理や入出金管理はもちろん、募集から契約、入居後に至るまでの賃貸管理業務を幅広くサポートします。

ぜひ導入をご検討ください。

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