不動産業界で導入されているVR内覧とは？導入手順やVR動画の作成方法も解説

不動産業界では、VRを活用した内覧を導入する企業が増えてきています。この流れを受け、VR内覧の導入を検討し始めた方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、VR内覧を導入する際のメリット・デメリットや、具体的な導入手順、VR動画の作成方法について詳しくご紹介します。メリットやデメリットを把握することで、VR内覧の導入をより具体的に検討できるようになるでしょう。

VR内覧に興味がある方や、導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

不動産業界でも導入が進むVR内覧とは？

VR（バーチャル・リアリティ）は仮想現実を意味し、コンピュータによって生成された仮想空間を、あたかも現実のように感じられる技術です。ユーザーは、360度の視覚体験を通じて、まるでその場にいるかのように3次元の空間を体感できます。VRでは、従来の平面の映像や画像では表現しきれなかった深さや距離感をリアルに再現することが可能です。

この技術は不動産業界でも活用が進んでおり、業務の効率化や早期契約につながっています。具体的には、賃貸や売買予定の物件をVRコンテンツに変換し、オンラインで内覧できるようにする方法が主流で、これが「VR内覧」と呼ばれるものです。

これまで不動産業界では、写真や動画を使って物件の雰囲気を伝えてきましたが、実際にその場にいなければわからない雰囲気などを伝えるのは難しいのが現状でした。しかしVR内覧では、立体的でリアルな映像を通じて、物件の魅力をより具体的に感じ取ることができるため、物件の価値がわかりやすく伝わるのが特徴です。

不動産会社がVR内覧を活用するメリット

VRは不動産業界との相性がよい技術である上、次のようなメリットが得られます。

• 業務効率化を図れる
• 契約までをオンラインで完結できる
• 成約率の向上や早期契約が期待できる
• 他の不動産会社との差別化につながる

詳しくご紹介します。

業務効率化を図れる

VR内覧を活用する最大のメリットは、業務効率の向上です。従来の賃貸や不動産売買の業務では、まず顧客の希望条件を聞き取り、その後、実際に現地へ案内して物件が希望に合うか確認してもらうプロセスが必要でした。

しかし、VR内覧を導入することで、Webサイト上で物件を内覧できるようになり、顧客が事前に複数の物件を絞り込むことが可能になります。これにより、現地見学の必要がある物件の数を減らせるため、顧客とのやりとりや現地案内の回数が減り、業務の効率化が図れます。

特に、管理会社や売主の都合に合わせる必要がなくなるため、スケジュール調整の手間も大幅に減るでしょう。結果として、物件のミスマッチが減少し、時間の節約にもつながります。

契約までをオンラインで完結できる

VR内覧を活用することで、全国どこからでも簡単に物件の内覧ができるようになります。例えば、忙しくて営業時間内に来店できない方や、転勤や就職のために遠方から物件を探している方にとっては、大変便利なサービスです。

さらに、オンライン契約を導入することで、問い合わせから契約に至るまでのすべての手続きをオンラインで完結することが可能になります。これにより、顧客はスマートフォン1台で物件探しから契約までを完了できるため、大幅に手間が軽減されるでしょう。

このように、顧客が煩わしい作業をせずに済む点をアピールすることで、競合他社との差別化を図ることもできます。

成約率の向上や早期契約が期待できる

VR内覧は、顧客にとって物件を選定しやすくするツールとして注目されています。VRを活用することで、顧客は好きなタイミングで物件を詳細に確認できるため、短時間で多くの物件を効率よく比較することが可能です。これにより、顧客は自分に最適な物件を見つけやすくなり、契約に前向きになる可能性が高まります。

さらにVR内覧は、通常は退去後にしか見学できない物件でも、入居者がまだいる段階で内覧を可能にします。また、通常の内覧では、現地に足を運んで初めて物件の雰囲気や細部を確認できますが、VR内覧でも物件の正確なイメージを把握できるため、無駄な訪問を避けられるというメリットもあります。

その結果、契約がスムーズに進行し、成約率の向上や早期契約が期待できるのです。

他の不動産会社との差異化につながる

VR内覧は不動産業界で導入が進んでいますが、まだ普及率がそれほど高いわけではありません。そのため、VR内覧を導入するだけで競合他社と差別化できる強みになります。  

さらに、VR内覧を導入していることをアピールすれば、最新技術を取り入れているというイメージを与えることができ、顧客からの注目を集めることができるため、宣伝効果も期待できるでしょう。さらに、物件のオーナーにとっても、VR内覧は空室対策などの面でメリットがあり、新たな付加価値を提供できる可能性があります。

不動産会社がVR内覧を活用するデメリット

VR内覧にはさまざまなメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。

• 実際の内覧でしか感じられない点もある
• 人によってはVR酔いをする可能性がある
• 周辺環境を伝えるための工夫が必要
• 専用機材の導入などにコストがかかる

それぞれ詳しくご紹介します。

実際の内覧でしか感じられないこともある

VR内覧は、手軽に部屋の雰囲気や間取りを確認できるというメリットがありますが、細かい部分の再現には限界があります。例えば、時間帯による日当たり、部屋のにおい、音の響き方、フローリングや壁紙の質感などは、実際に現地でしか確認できません。また、扉の建て付けや設備の高さ、大きさが自分に合っているかどうかを確認することも、現状のVR技術では難しいです。

さらに、近年では近隣住民とのトラブルを避けるために、共用部分の状態や清掃の状況を確認してから入居を決める人が増えています。こうした細かい点まで確認したい顧客には、実際に物件を訪れてもらう必要があります。

周辺環境を伝えるための工夫が必要

現在のVR内覧は主に物件の室内チェックに焦点を当てており、周辺環境の確認には対応していません。そのため、最寄り駅から物件までの道のりや、周辺の景観、物件周辺の雰囲気を確認するには、別途現地での確認が必要です。

しかし、周辺環境を理解してもらうための工夫として、説明資料を用意するのは有効です。例えば、スーパーやコンビニの位置を示した地図、物件があるエリアの特徴や評判がわかる口コミのまとめなどが該当します。また、利便性や治安に関する情報を盛り込んだ資料も準備すると、さらに効果的です。

専用機材の導入などにコストがかかる

VR内覧を導入するには、360度カメラや、場合によってはVRゴーグルなどの専用機材が必須です。しかし、安価な機材では性能が十分ではなく、VR内覧のメリットを十分に引き出せない可能性があります。そのため、適切な機材を選ぶための時間と、高品質な機材を導入するための費用が必要です。

不動産会社がVR内覧を導入する際の手順

不動産会社がVR内覧を導入する際の手順は次のとおりです。

1. 外注する際はまずは打ち合わせを実施する
2. 撮影をする
3. 編集する
4. 公式サイトやSNSに掲載する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.外注する際はまずは打ち合わせを実施する

最初に、VR内覧サービスを提供する会社と打ち合わせを行い、自社が抱えている課題について話し合います。この打ち合わせを通じて、どのような動画を制作すべきかが明確になります。

もし、打ち合わせの中で、サービス提供会社がこちらの悩みや課題を十分に理解してくれなかったり、納得のいく提案をしてくれなかったりした場合は、他の会社に依頼することも検討しましょう。

また、打ち合わせでは撮影の日程なども合わせて調整しておくとスムーズです。

2.撮影をする

打ち合わせで決定した日程に基づき、撮影を実施します。外注する場合、撮影時に立ち会いが必要かどうかは依頼先によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

VR内覧用の動画撮影には、通常2〜6台のカメラが使用されますが、1台でも対応できる場合があります。しかし、複数台のカメラを使用することで、より臨場感のあるVR内覧コンテンツを作成することが可能です。

使用するカメラの台数は依頼先によって異なり、台数によって映像の臨場感や画質、死角の有無に影響が出るため、あらかじめ確認しておきましょう。

3.編集する

撮影が完了したら、次は編集作業に進みます。この段階では、複数の映像をスムーズにつなげるだけでなく、色調補正や露出調整を行い、映像全体に統一感を持たせます。この編集作業は、リアルなVR内覧動画の質を大きく左右する工程です。

また、編集ではVR空間の作成に加え、さまざまな要素の追加も可能です。例えば、テキストや音声、PDF、画像、動画を挿入できる場合が多いです。また、ロゴの表示やスタート画面のカスタマイズに対応してくれる業者もあります。

4.公式サイトやSNSに掲載する

すべての工程が完了したら、制作した動画を公式サイトやSNSで公開します。自社のWebサイトだけでなく、不動産メディアなどのプラットフォームにも掲載が可能です。また、QRコードを活用すれば、メールやLINE、DMを通じて視聴してもらうこともできます。

外注する場合、基本的には動画はURL形式で納品されますが、動画共有サイトへのアップロード形式や、VRゴーグルと連携できる専用アプリを使用した納品も選択肢に含まれることがあります。そのため、外注の際は、納品方法について事前に確認しておくことが重要です。

VR内覧動画の作成方法

VR内覧動画の作成方法は次のとおりです。

1. 360度カメラで撮影を行う
2. データ専用クラウドにアップロードする
3. 必要に応じて3Dモデルの編集をする

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.360度カメラで撮影を行う

VR内覧動画の撮影は、360度カメラを使って定点で行います。定点撮影とは、カメラを三脚に固定して、360度の映像を安定して撮影する方法です。この方法は、全方位をしっかりと記録したい場合に向いています。

一方、手持ち撮影はカメラを持ちながら移動して行うため、映像がブレやすく、視聴者に酔いやすさを感じさせる可能性があり、VR内覧動画には適していません。

撮影にかかる時間はカメラの性能によりますが、目安として、単身向けの物件では約2時間、ファミリー向けの物件では約3時間ほどを見込んでおくとよいでしょう。

2.データ専用クラウドにアップロードする

撮影した映像は、360度カメラ専用のクラウドサービスを利用することで、簡単にVR動画を制作できます。具体的には、データをクラウドにアップロードするだけで、物件の3Dモデルが自動的に生成され、360度ビューや3Dモデルのウォークスルーが作成される流れです。

ただし、360度カメラと同じシリーズの専用クラウドサービスであっても、必ずしも3Dモデルを生成できるとは限りません。そのため、360度カメラを導入する際には、専用クラウドで3Dモデルの生成が可能かどうかを事前に確認することが重要です。

3.3Dモデルの編集をする

3Dモデルが完成したら、次に編集作業を行います。VR内覧の効果を最大化するために、以下の情報をモデルに埋め込むことが重要です。

• テキスト情報
• 音声解説
• 予約サイトやWebサイトのリンク

また、顧客が快適に物件を内覧できるよう、ウォークスルーのポイントを選り分けることも大切です。具体的には、リビングやキッチンなどの主要なエリアにスムーズにアクセスできるように設定し、内覧が自然な流れで進むようにします。これにより、顧客が物件内を快適に移動でき、ストレスを感じずに内覧を楽しむことができます。

また、PDF資料や画像・動画といった情報は、別途リンクとして提供するか、モデル内の特定の場所でポップアップとして表示される形で組み込むと、顧客にとってわかりやすくなります。例えば、キッチンエリアを内覧している際に、関連する画像や動画が自動的に表示されるように設定するなどです。

自社サイトにVR内覧を導入するなら『いい生活ウェブサイト』

不動産ホームページ作成ツール『いい生活ウェブサイト』は、反響に直結するノウハウや機能を集約したクラウド型不動産ホームページ作成ツールです。同ツールは、VR内覧の導入をより快適に行えることから、VR内覧を検討している方にもおすすめです。おすすめの理由を詳しくご紹介します。

『いい生活ウェブサイト』ではパノラマVR機能を搭載

不動産ホームページ作成ツール『いい生活ウェブサイト』では、VR内覧に対応したホームページを簡単に作成できます。

『いい生活賃貸クラウド 物件広告』『いい生活賃貸管理クラウド』『いい生活売買クラウド One』にパノラマ画像やパノラマVRのURLを一度登録するだけで、自社ウェブサイトだけでなく、複数の不動産ポータルサイトにも同時に掲載することが可能です。

不動産ホームページ作成ツール『いい生活ウェブサイト』を利用することで、手間のかかる掲載作業を大幅に削減できます。

簡単かつスピーディーに自社サイトが作れる

不動産ホームページ作成ツール『いい生活ウェブサイト』なら、ノーコードで自社サイトを簡単かつスピーディーに作成できます。PCだけでなく、スマホやタブレットなど、あらゆるデバイスに対応したレスポンシブデザインが標準装備されているため、個別にデザインを調整する手間も省けます。

さらに、サイトの更新もノーコードで簡単に行えるため、運用もスムーズです。外注すると、細部まで思い通りに仕上がらなかったり、費用が高くなったりすることがありますが、不動産ホームページ作成ツール『いい生活ウェブサイト』を利用して自社で内製すれば、制作費用を抑えつつ、希望にマッチしたサイトを作成できます。

カスタマイズ性にも優れている

VR内覧によって高まった宣伝効果を最大限に活かすためには、自社サイトの見映えやオリジナリティが重要です。一般的には、ホームページ作成ツールは独自性を持たせるのに不向きと考えられがちですが、不動産ホームページ作成ツール『いい生活ウェブサイト』はテンプレートデザインだけでなく、オリジナルデザインにも対応しているため、理想的なサイトを実現することが可能です。

さらに、テンプレートを利用する場合でも高いカスタマイズ性が備わっているため、独自性のある物件情報ページや問い合わせフォームを作成できます。そのため、他社との差別化を図ったWebサイトの構築も可能です。

また、デザインやカスタマイズに自信がない場合でも、豊富な制作実績を持つ制作会社の紹介を受けることができるため、安心して独自のサイトを構築できます。

必要なページ・コンテンツを簡単に追加できる

不動産ホームページ作成ツール『いい生活ウェブサイト』は、サイトを簡単に制作できるだけでなく、ページやコンテンツの追加もスムーズに行えます。例えば、Webページの追加やブログの作成、不動産専用のコンテンツの追加もシンプルな操作で実現できます。

あらかじめ多くのコンテンツが用意されているため、自分で作成する手間も省けるでしょう。また、軽微な変更でも業者に依頼するとコストがかさむため、依頼することをためらうかもしれませんが、不動産ホームページ作成ツール『いい生活ウェブサイト』なら簡単な変更はもちろん、オーナーや売主向けのコンテンツや地域情報などの追加もすぐに行えます。

もし、VR内覧の導入を機に自社サイトをより充実させたいと考えているなら、不動産ホームページ作成ツール『いい生活ウェブサイト』の利用を検討してみてください。

VR内覧を導入して不動産会社の業務効率化や成約アップにつなげよう

VR内覧を導入することで、不動産会社は業務の効率化や成約率の向上、迅速な契約締結、そして競合との差別化といった多くのメリットを得られます。まだ普及率が高いわけではないため、他社に先駆けて導入を検討してみてください。

また、VR内覧を導入する際には、簡単にVR内覧動画を掲載できる不動産ホームページ作成ツール『いい生活ウェブサイト』の活用がおすすめです。さらに、賃貸や売買物件の管理業務を効率化したい場合は、『いい生活賃貸クラウド 物件広告』『いい生活賃貸管理クラウド』『いい生活売買クラウド One』といったサービスの利用も検討してみてください。

『いい生活賃貸クラウド 物件広告』は効率的な物件広告の運用を実現し、『いい生活賃貸管理クラウド』は賃貸管理業務を一元化します。さらに、『いい生活売買クラウド One』は売買業務全体のデジタル化をサポートするサービスです。興味のある方は、ぜひ詳細をチェックしてみてください。