本コラムは全国の不動産会社様の研修会や、団体様、協会様のセミナーにて講演させていただき、好評いただいております弊社COO北澤のオリジナルセミナー資料「無駄を省くIT戦略とスマホ時代のIT戦術」から一部を抜粋、加筆したものを掲載しております。
課題
反響があっても、その反響を効率的に回すことができていない。
また反響があったことで、「仕事をやった!感」や「疲労感」で追客に全力を注ぎこめない。
- 自社媒体、ポータルから問い合わせが整理できない。
結果、計画的に対応できないため、取りこぼしている。 - 返事が瞬時に送れない。上手な内容で返事ができない。
問い合わせを放置してしまう。問い合わせの内容、やりとりを覚えきれない。 - 目先の対応だけで、手一杯(特に繁忙期)。
粘り強い追客ができない。 - 担当が病気等で対応できないとき、バックアップするための、それまでのやり取りの情報がない。
取るべき施策
- 反響取り込み&追客のためのシステムの導入あるいは専門部署の設立。
- 媒体系のシステムはやめる。
利点
- 反響に対して、受信確認・挨拶の自動返信(サンキューメール)を送信すること。
- 反響内容を入居希望データと物件データをシステムで紐付けることができ、その後に希望条件に合った物件詳細情報、画像の貼り付け、類似物件、おすすめ物件の提案ができる。
- 営業メールはテキストでもHTMLメールでスマホとPCに送られる。開封、未開封、どの物件をいつ見たか、何度見たかなどから入居希望者の動向や状況が確認できる。(営業個々人、店舗単位、ブロック、全社ベースで確認)
- 来店や物件内見の予定が管理でき、担当者が不在の場合でも代わりの人がそれまでのやり取りなど確認して対応を取ることができる。
- AIなどで、問い合わせや提案など、入居希望者に自動的に対応させる。(たぶん、結構、先の話)
考慮すべきポイント
- AIに期待しすぎていないか?
チャットボット(Chatbot)、 AIは、現時点ではまだ、対外的な対応を安心して任せることができるレベルではないか?
結果、利用しても手間は思ったより減らないと考えてもいい。(深層学習で発達するAIに対して、十分な経験を積ませていない)
一方で、AIのトンチンカンなやり取りのチェックに手間や時間が掛かっている。AIがどのように一人前になるか、その過程を知らないで、“なんちゃってAI”を導入してはいけない。 - 顧客対応である以上、レベルの低いシステムを導入していると、成約率(歩留まり)をあげるどころか、売り上げを逸していることになる。さらには、消費者から対応が不誠実、不適当という評価を受けることがある。
- 媒体系のシステムはやめる。ホームページや媒体からの反響が丸見えとなり、媒体に手の内がバレる。安い媒体とのパック料金は、将来にわたる大きな損失の元となる。
以上、「無駄を省くIT戦略~不動産業務とIT活用例⑥~歩留まり改善、取りこぼし削減」でした。
最後までお読みいただいただいた皆様には、ぜひ「課題」「取るべき施策」「考慮すべきポイント」をご参考、ご活用いただければと存じます。